2024/11/20
【第1965回】
詩人の谷川俊太郎さんが92歳で亡くなりました。彼のデビュー作である「二十億年の孤独」を読んだ時には異次元の世界にさらわれていく感覚がしました。定型詩なんぞをぶっ飛ばし感性の赴くままに書き綴った文字の反乱に戸惑い驚き、あらたなる詩の世界への期待を持たせてくれました。その後、翻訳、言葉遊びに徹した詩、映画テレビドラマのシナリオなどなど、あらゆる分野に挑戦しながら自ら朗読し読者の前でのパフォーマンスも意欲的に活動されていました。何と言っても谷川さんの詩の良さは、難しいことばで難しいことを言うのは簡単だと思いますが、やさしいことばで難しいこと、深いことを伝えることができた点だと思います。以下の詩は谷川さん最後の言霊です。
感謝
目が覚める
庭の紅葉が見える
昨日を思い出す
まだ生きてるんだ
今日は昨日のつづき
だけでいいと思う
何かをする気はない
どこも痛くない
痒くもないのに感謝
いったい誰に?
神に?
世界に?宇宙に?
分からないが
感謝の念だけは残る
谷川俊太郎さんの遺言詩ではなかろうか...
ツワブキ
花言葉~先を見通す能力~